ニュースを見ていて、もっと政治について知っていたら理解しやすいだろうな…と思うことはありませんか。
どんなにわかりやすくニュースを伝えてくれていても、特に政治や国際関係のニュースだと、基本知識や背景を知らないと理解はできないですよね。
なぜ北方領土問題が起きるのか、なぜアメリカは共和党と民主党の2大政党制なのか(他には政党がないのか)など、基本知識があるとニュースを理解する解像度が上がります。
今回は、政治について理解を深められる本を紹介します。
現代日本外交史
- 冷戦後の日本政治を外交の視点から学びたい人
- 現在の外交問題の端緒・歴史を知りたい人
この本からわかること
この本は、湾岸戦争から第2次安倍政権までの日本の外交史をまとめた本です。
この本からは、
- 日本の外交史の裏側
- 現在の日本の世界の立ち位置の原点
- 現在の外交課題の変遷
を知ることができます。
よく、現在の政治について知りたければ歴史を学ぶべきだと言いますが、まさにその答えを与えてくれる本です。
現在の北方領土問題・北朝鮮問題・日中関係・日米関係・沖縄基地問題…などは、すべて戦後の日本外交の変遷の帰結として現在に繋がってきます。
この本を読むと、それぞれの問題について、そのときの世界の情勢や首相の政治思想・各国代表の思惑などがどう絡まって進んでいったのかがわかります。
今日本が抱えている問題が、どこを原点として発生したのかを学べるので、本質的に歴史を理解できます。
感想・所感
私は、この本を読んでドキュメンタリー映画を観ているような気分になりました。
歴史の時系列で書かれていて因果関係がわかりやすいので、どんどん読み進められる本です。
例えば、北方領土問題はこれまでどのようにロシアと解決しようと試みてきたのかについて、日本側の政府の動きはもちろん、ロシア側の考えも述べてあるので客観的に歴史問題を捉えられるのがいいと思いました。
また、外交課題の歴史を振り返るので、「ある時点でどういう外交をしていれば、また、日本政府がどういう判断をしていれば結果は変わったのか」というタラればを知ることができるのもワクワクします。
教養としての世界の政党
- 世界の政治体制について学びたい人
- 世界の社会情勢について実践的に学びたい人
この本からわかること
この本は、なんといっても、筆者である外交官経験者のリアルな体験・考えを基に、世界の政治社会情勢について整理した点が特徴です。
この本からは、
- 世界の各国のイデオロギーの構図
- 各国の民族性・宗教・政治体制に関する基本的知識
が学べます。
表題に「教養としての世界の政党」と書いてあるように、この本は各国を「政党」という観点から分析しています。
つまり、各国の民族性や歴史・宗教・社会経済・政治体制の特色が「政党」という形で現れるので、政党の分析をすればその国について理解できるということです。
例えば、アメリカは共和党と民主党の2大政党制ですが、本書では
- それぞれのイデオロギーが生まれる背景
- 大きく2つに分かれる民族的な理由
などについて、説明しています。
政党という切り口からその国について学べるのが特色です。
そして、アメリカのみならず、ヨーロッパ・東アジア・東南アジア・オセアニア・ヨーロッパ・アフリカ・イスラム諸国と世界各国について分析しているので、とても内容の濃い満足度の高い本です。
感想・所感
私はこの本を読んで、世界情勢のニュースを見た時の解像度が上がりました。
例えば、ヨーロッパはなぜ国際協調路線の国が多く、アメリカは細かな丁寧な外交よりも結論重視の外交をするのかについて、民族性・地理的背景などから解説があり、国際課題への欧米の立場の違いを理解するのにとても役立ちました。
もう少し世界の国のイデオロギーについて知れば、混沌とした世界情勢をもう少し本質から理解できるのではないかと思い読み始めましたが、素人にもわかりやすかったです。
なかなか政党やイデオロギーの観点から世界各国を満遍なく整理した本はないと思うので、おすすめです。