適応障害で退職しようと考えているけど、
- 退職届ってどうやって書くの?
- 退職の理由ってどうやって書けばいいの?
という疑問があって、困っている方がいると思います。
いざ退職しようと思っても、肝心の退職届が用意できていないと焦ってしまいますよね。
特に、適応障害で退職する場合には、職場のストレスが原因で退職するのに、退職理由をどのように書けばいいのか…と迷うと思います。
今回は、適応障害で退職する際の退職届の書き方について、例文や体験談を紹介しながら説明したいと思います。
自己都合退職と会社都合退職
退職届は、自己都合退職か会社都合退職のどちらで退職したいか、によって書き方が異なります。
まずは、自己都合退職と会社都合退職について説明します。
自己都合退職と会社都合退職の違い
自己都合退職や会社都合退職というのは、退職理由のことです。
自己都合退職か会社都合退職の違い(退職理由の違い)によって、退職してから受け取る失業手当の受給額や期間に差が出ます。
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
定義 | 業務とは関係のない病気や転職のための退職 | 業務に起因する病気や倒産による退職 |
失業手当の制限給付期間 | 2か月 | なし |
失業手当の額 | 少ない | 多い |
定義
自己都合退職とは、業務と関係のないプライベートの病気や転職によって退職することです。
一方、業務に起因する病気や倒産による退職など、会社の都合によって離職する場合には、会社都合退職になります。
失業手当の制限給付期間
失業手当は、退職後、申請したらすぐにもらえるわけではありません。
失業手当を申請したら、通常、「失業手当の制限給付期間」という2か月間の審査期間が設けられます。
2か月間の審査を経て、失業手当を給付する資格があると認定された後、支給手続きに入ることができます。
しかし、会社都合退職の場合には、制限給付期間を設けることなく、すぐに支給の手続きが行われます。
つまり、会社都合退職は、自己都合退職に比べて、失業手当の支給開始時期が優遇され、早く受給を開始できるということです。
退職後になるべく早く失業手当を受給できれば、退職後の収入の心配をせずに済むというメリットがあります。
失業手当の額
失業手当の額は、年齢や勤務日数によって違いますが、基本的に会社都合退職の方が手当を多くもらえます。
失業手当の詳しい制度内容については、こちらの記事で説明しているので参考にしてください。
自己都合退職と会社都合退職のどちらがいい?
失業手当の観点だけで考えれば、支給開始時期や支給額にメリットがある会社都合退職の方が、魅力的です。
しかし、現実的には、会社都合退職にするにはなかなかハードルが高いです。
なぜなら、退職すると、企業からハローワークに離職票というものが提出されますが、その離職票において、退職事由が「会社都合退職」になっている必要があるからです。
つまり、会社都合退職になるかどうかは企業側の判断になるということです。
適応障害で退職する場合には、
- 業務過多
- 上司のパワハラ
- セクハラ
- 過度な残業など
が理由であれば、業務・会社による退職に該当し、会社都合退職と判断されることが多いです。
ただし、会社都合退職にするためには、退職届に明確に退職の理由が会社都合であることを明示する必要があり、そうでなければ、ほぼ必ず自己都合退職になってしまいます。
したがって、確実に会社都合退職で退職したい場合には、退職届にその旨を提示するようにしましょう。
休職期間を経て退職する場合
休職期間を経てそのまま退職するときには、自己都合退職で退職届を提出しても、ハローワークで会社都合退職に修正してもらえる場合があります。
休職期間を経てそのまま退職する場合には、健康上の理由により退職して働けないということなので、会社都合退職としてみなされるからです。
私も休職期間を経てから退職したので、自己都合退職の形式で退職届を提出しましたが、ハローワークで会社都合退職に修正してもらえました。
したがって、休職期間中に退職する場合には、自己都合退職による退職届でも会社都合退職にできる可能性が高いですが、いずれにせよハローワークの判断になるので、絶対とは言えません。
次に、それぞれの事由での退職届の書き方を説明します。
退職届の書き方
退職届は、会社に指定されているフォーマットに書き込むことが多いです。
しかし、指定のものが用意がない場合には、自分で準備する必要があります。
退職届のフォーマット
退職届は、原則、
- 手書き
- 縦書き
で記載するのが基本ですので注意しましょう。
先ほど述べたように、退職届は、自己都合退職と会社都合退職のどちらにしたいかによって書き方が異なるので、それぞれの場合について説明します。
退職理由に適応障害を明示しない(自己都合退職)
1つ目は、自己都合退職で退職する場合です。
自己都合退職で退職届を作成する場合には、「一身上の都合の理由により」と記載します。
自己都合退職で処理するメリットは、
- 職場と揉めたりトラブルなどを起こさずに、スムーズに退職できる
ことです。
一方、自己都合退職で退職届と提出した場合には、修正できなければ、ハローワークでそのまま事故都合退職として処理されるので、
- 失業手当の受給の際に不利になる可能性がある
というデメリットがあります。
とにかく円満にスムーズかつ退職したい方は、「一身上の都合により」と記載して自己都合退職で処理しましょう。
適応障害の要因を明示する(会社都合退職)
2つ目は、会社都合退職で退職届を記載する場合です。
会社都合退職で退職届を作成する場合には、適応障害を発症した理由を記載して、「会社都合により」と明記することがポイントです。
適応障害が発症した理由は、業務に関連する理由に限られ、個人的な理由や業務との直接的な因果関係が分からない場合には、会社都合退職にはできません。
また、会社都合退職による退職届を記載した際には、会社側と調整・折衝をする必要があります。
会社側は会社都合退職による退職は避けたいので、ほとんどの場合、聞き取りなどが行われます。
会社都合退職で退職したい場合には、退職代行に相談することを強くおすすめします。
退職届を作成するときの注意点
退職届を作成する際には、次の点に注意しましょう。
会社の就業規則を確認する
1つ目は、会社の就業規則を確認することです。
そもそも退職届が必要なのか、退職届のフォーマットはあるのか、などの細かな決まりは、会社ごとに異なります。
まずは、会社の就業規則をしっかりと確認しましょう。
退職理由はよく考える
2つ目は、退職理由についてよく考えることです。
退職理由は、自己都合退職か会社都合退職かの2種類です。
どちらにもメリット・デメリットがあるので、自分に合った方を選びましょう。
私は、職場との連絡を最小限にして、早く退職したかったので、自己都合退職で退職届を作成しました。
しかし、休職中の退職ということもあり、ハローワークで会社都合退職に変更してもらえたので、失業保険を好条件で受給できたのがよかったです。
会社都合退職で退職できた方が、失業保険の受給の際に有利になることははっきりしているので、もし会社都合退職にしたい方は、退職代行などを利用して退職届の調整をしてもらうのがおすすめです。
退職の流れを押さえること
3つ目は、退職の流れをよく押さえることです。
退職届の作成は、退職手続きの中の一部にすぎません。
退職手続きを完了するには、
- 退職届を提出する
- 退職の意志を伝える
などと、上司に退職の意志を伝えるプロセスが必要です。
退職の伝え方については、こちらの記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
退職届を作成したら終わりではない
退職届を作成したら終わりではありません。
先ほど述べたように、まずは退職届を会社に提出しなければなりません。
退職届の書き方や会社との調整で悩んで、なかなか手続きを進められない場合には、退職代行に依頼してスムーズにトラブルなく終わらせるのが賢明です。
退職後の転職先が決まっていない方は、
- 失業手当の申請
- 転職活動
- 資格やスキルの取得
など、これからのライフスタイルに向けた活動を始めましょう。
失業手当については、こちらの記事で説明しているので参考にしてください。
参考記事 失業手当とは?受給要件やもらえる額をわかりやすく解説!
また、適応障害で退職した後の転職活動については、こちらの記事にまとめてあります。