適応障害を発症した方で、
- 退職したいけど流れがわからない
- 退職届の書き方がわからない
- 適応障害で退職する際の注意点が知りたい
という方向けに、今回は、自身の経験を元に、適応障害で退職する際の流れなどについて説明します。
私も適応障害で休職・退職しました。
退職時には、どのように会社に連絡すればいいんだろう…と不安だったので、その際の経験などが少しでも参考になればと思います。
適応障害で退職はあり?
適応障害を発症して、もう会社を辞めたい…と感じている方もいると思います。
実際、私も適応障害を発症して休職しましたが、職場でのストレスを思い出すと、元の職場には戻りたくない、また発症するのが怖い…という思いから、退職しました。
適応障害を治すには、ストレスの原因となっているものを取り除く必要があります。
つまり、適応障害で退職することは、自分を守るための立派で正当な手段です。
しかし、いざ退職しようと思っても、適応障害で症状が辛いのに、何からどう動けばいいのかわからず不安ですよね。
この記事では、適応障害で退職する方法を説明します。
適応障害で退職してもいいのだろうか…と悩んでいる方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
退職の手続き
退職までの一連の手続きは次のとおりです。
- STEP1退職の意思を伝える
- STEP2社内規定に沿って手続きをする
- STEP3物品の返却や私物を片付ける
退職の意思を伝える
まずは、所属の上司に退職の意思を伝えましょう。
正式に退職するには、労働基準法で、退職の意思を示す必要があると規定されています。退職の意思がきちんと示されていない場合には、退職が受理されない場合もあるので注意しましょう。
したがって、自分が退職する意志があるということを明確に示すのが重要です。
なかなか言い出しにくい場合もあるかもしれませんが、伝える方法は、
- 対面
- 電話
- メール
のいずれでも構いません。
特に休職していてそのまま退職する場合には、わざわざ出社して伝えるのも億劫だったり、上司に合うのが気まずい…という方も多いと思うので、メールや電話だと言いやすいですね。
対面や電話だと、直接上司と話さなければならず、引き止められたり気まずくなったりするので、メールで伝えるのがおすすめです。
メールだと、文面として退職の意思を残せるので、言った言わないなどのトラブルを防げるというメリットもあります。
電話や対面で申し出る際でも、自分がきちんと退職の意思を示したという証拠を残しておくために、録音しておくと安心です。
それぞれのメリット・デメリットをまとめておきます。
対面 | 電話 | メール | |
メリット | 誠意が伝わりやすい | 会わずに意思を伝えられる | |
退職に関する調整や手続きを直接済ませられる | 直接誠意を伝えられる | 精神的な負担が低い | |
口頭で今後の流れを確認できる | 文面に残せる | ||
デメリット | 職場に行く必要がある | 上司を会話の必要あり | 今後の流れや細かな調整が別途必要 |
同僚に顔を合わせる必要がある | 引き止められる可能性あり | 意思疎通が難しい場合あり |
どの方法で伝えるのかは、どのように退職をしたいのかにもよります。
退職する際にきちんとお礼や謝罪を伝えて円満に退職したい方は、対面や電話で伝えた方がいいですし、今すぐにでも職場と最小限のやりとりで退職したい方はメールでの退職がおすすめです。
私は、休職をしていたので、メールで直属の上司に伝えました。
メールの例文を掲載するので参考にしてください。
![](https://koromaru-memonote.com/wp-content/uploads/2024/04/7b4a73700e4589405c55847068156eb6-724x1024.jpg)
社内規定に沿って手続きをする
直属の上司に退職の意思を伝えると、退職の意思が人事に共有されて、社内規定に沿って淡々と退職に向けた手続きが進みます。
私も、上司に退職の意思を伝えると、後日人事担当者から連絡がきて、退職に向けての手続きをしました。また、すべての手続きがメールや郵送で完結したので、特段ストレスはかかりませんでした。
特に、退職届については、会社の規定によって必須かどうかが異なります。
社内規定を確認して、人事に提出を求められたら、規定のフォーマットで提出しましょう。
フォーマットがない場合には、次の項目で退職届の例示を載せてあるので参考にしてください。
なお、適応障害で退職する場合には、離職後に失業手当を受給する方が多いと思うので、
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
を忘れずに必ず受け取りましょう。
退職日の後に渡されるので、退職の手続きがすべて終わったからと言って気を抜かないように注意してください。
失業手当の手続きに関する記事は、こちらにまとめてあるので参考にしてください。
物品の返却や私物を片付ける
退職の手続きが済むと、職場から社員証やPC・制服などの物品の返却の連絡があります。
基本的には、来社して物品を返却したり私物を片付けることになりますが、体調不良で来社が難しい場合には、郵送で対応してくれる場合が多いです。
私も来社が難しかったので、郵送でやり取りしました。
ただし、適応障害での退職する場合には、職場とやり取りをするのがストレスで困難だったり、やり取りをすることで症状が悪化したり、上手く退職理由や退職に係る調整ができないことが多いので、退職代行を利用して、退職に関する手続きをすべて代行してもらうのがおすすめです。
退職代行を利用すれば、退職の意思を伝えるところから、物品の返却などすべてのことを任せられるので、ストレスやトラブルなくきれいに職場を去ることができます。
退職届の書き方
退職届は、自己都合退職と会社都合退職のどちらにしたいかによって書き方が異なります。
また、注意点として、退職届は、原則として
- 手書き
- 縦書き
で記載するのが基本ですので注意しましょう。
自己都合退職と会社都合退職の違い
自己都合退職か会社都合退職かの違いは、退職してから受け取る失業手当の受給額や期間に違いが出ます。
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
定義 | 業務とは関係のない病気や転職のための退職 | 業務に起因する病気や倒産による退職 |
失業手当の制限給付期間 | 2か月 | なし |
失業手当の初回振込日 | 受給資格決定日から約2か月半後 | 受給資格決定日から約3週間から約1か月以内 |
失業手当の額 | 少ない | 多い |
まず、失業手当の給付開始時期についてですが、失業手当は申請したらすぐにもらえるわけではありません。
申請したら「失業手当の制限給付期間」という2か月間の審査期間が設けられますが、会社都合退職の場合には制限給付期間を設けることなく、支給の手続きに入れます。
また、失業手当の初回振込日ですが、会社都合退職の方がすぐに振り込まれるので、退職後の収入の心配をせずに済むというメリットがあります。
失業手当の額は、年齢や勤務日数によって違いがありますが、基本的に会社都合退職の方が手当を多くもらえます。
失業手当の詳しい制度内容については、こちらの記事で説明しているので参考にしてください。
自己都合退職と会社都合退職のどちらがいい?
失業手当の観点だけで考えれば、支給開始時期や支給額にメリットがある会社都合退職の方が、魅力的です。
しかし、会社都合退職にするにはなかなかハードルが高いのが現実です。
なぜなら、会社都合退職とみなされるためには、企業からハローワークに提出される離職票において、退職事由が「会社都合退職」になっている必要があります。
つまり、会社都合退職になるかどうかは企業側の判断になるということです。
適応障害で退職する場合には、適応障害を発症した理由によりますが、業務過多・上司のパワハラ・セクハラ・過度な残業などが理由であれば、業務による退職となるケースとなり、会社都合退職と判断されることが多いです。
ただし、会社都合退職にするためには、退職届に明確に退職の理由が会社都合であることを明示する必要があり、そうでなければ、ほぼ必ず自己都合退職になってしまいます。
したがって、確実に会社都合退職で退職したい場合には、退職届にその旨を提示するようにしましょう。
休職期間を経て退職する場合
休職期間を経てそのまま退職するときには、自己都合退職で退職届を提出しても、ハローワークで会社都合退職に修正してもらえる場合があります。
休職期間を経てそのまま退職する場合には、健康上の理由により退職して働けないと疎明されるので、会社都合退職としてみなされるからです。
私も休職期間を経てから退職したので、自己都合退職の形式で退職届を提出しましたが、ハローワークで会社都合退職に修正してもらえました。
したがって、休職期間中に退職する場合には、自己都合退職による退職届でも会社都合退職にできる可能性が高いですが、いずれにせよハローワークの判断になるので、絶対とは言えません。
それぞれの事由の退職届の書き方を説明します。
退職理由に適応障害を明示しない(自己都合退職)
1つ目は、自己都合退職で退職する場合です。
![](https://koromaru-memonote.com/wp-content/uploads/2024/04/744056451c21005d08194d2e2c8fca66-724x1024.jpg)
自己都合退職で退職届を作成する場合には、「一身上の都合の理由により」と記載します。
自己都合退職で処理するメリットは、職場と揉めたりトラブルなどを起こさずに、スムーズに退職できる点です。
ただし、自己都合退職で退職届と提出した場合には、自己都合退職として処理され、失業手当の受給の際に不利になる可能性があります。
とにかく円満にスムーズに退職したい方は、「一身上の都合により」と記載して自己都合退職で処理しましょう。
適応障害の要因を明示する(会社都合退職)
2つ目は、会社都合退職で退職届を記載する場合です。
![](https://koromaru-memonote.com/wp-content/uploads/2024/04/211e07d7e3638c8535f3ab77ae664a12-724x1024.jpg)
会社都合退職で退職届を作成する場合には、適応障害を発症した理由を記載して、「会社都合により」と明記することがポイントです。
適応障害が発症した理由は、業務に関連する理由に限られ、個人的な理由や業務との直接的な因果関係が分からない場合には、会社都合退職にはできません。
また、会社都合退職による退職届を記載した際には、ほとんどの場合、会社側と調整・折衝をする必要性が出ます。
会社側は会社都合退職による退職は避けたいので、聞き取りなどが発生する場合があります。
会社都合退職で退職したい場合には、まずは退職代行に相談することを強くおすすめします。
適応障害で退職する際の注意点
適応障害で退職する際には、いくつか注意点があるので説明します。
退職の手続きなどに不安がある方は、退職コンシェルジュに相談すると、退職前から退職後までサポートしてくれるので、トラブルなく安心して退職できますよ。
有給休暇をすべて使いきる
1つ目は、有給休暇をすべて使いきることです。
当然と思われるかもしれませんが、有給休暇は給料が発生する休暇なので、すべて消化してから退職したいですね。
職場によっては、規定などで一気に取得できる日数に限りがあるかもしれませんが、基本的にはすべて取得してから退職できるので、退職前に職場と調整しましょう。
退職を切り出す上に有給休暇まで申請するのは気が引ける…という方は、退職代行を利用すれば、有給休暇の消化・退職日の交渉・退職の申請まで、面倒な交渉などをすべて代行してくれるので活用してみてください。
傷病手当金を受給してから退職する
2つ目は、傷病手当金を受給してから退職することです。
傷病手当金とは、病気やケガなどで働けなくなった場合に健康保険組合から支給される手当のことです。
適応障害で働けなくなると休職制度を利用して休職すると思いますが、休職すると給与の支払いが止まります。
病気などで休職した際に、収入補償をしてくれるのが傷病手当金です。
傷病手当金は、退職後も受給できますが、退職前の休職時に受給を開始していないともらえません。
傷病手当金をきちんともらい続けるためにも、退職前に傷病手当金を受給してから退職しましょう。
詳しくは、こちらの記事で解説しているので参考にしてください。
適応障害になったときには、傷病手当金などの給付金をもらえますが、きちんと漏らさず満額もらいたい方は、退職コンシェルジュに相談すると、給付金の制度を最大限活用できます。
無断欠勤やバックレない
最後に、無断欠勤などをしないことです。
会社と連絡を取るのが億劫だからといって、無断欠勤をしたりバックレたりすることは絶対にやめましょう。
無断欠勤などによって、業務が滞り、企業の利益に損害が生じたと判断された場合には、損害賠償請求を起こされる可能性もあります。
症状が辛かったり、会社と関わるのが嫌な場合には、退職代行を利用しましょう。
退職代行を利用すれば、
- 会社と一切関わらずに即日退職できる
- 合法的にトラブルなく退職できる
ので、ストレスなく退職できます。
どうしても辞めたいときは即日退職も可能
適応障害が辛くて職場が嫌すぎて、明日すぐに辞めたい!というギリギリな切羽詰まっている方もいると思います。
労働基準法では、退職の意思を示してから2週間後に退職ができると定められており、基本的には意思を示してから2週間は辞めることはできません。
しかし、
- 診断書を提出して会社側と合意する
- 休職・有給休暇を2週間に充てる
などと工夫することで、合法的に即日退職することができます。
即日退職したい場合には、会社側と綿密な調整や交渉が必要なので、退職代行を利用しましょう。
詳しくは、こちらの記事に記載しているので参考にしてください。