転職やスキルアップに向けて、教育訓練給付金を活用してスキル・資格の取得を考える方は多いですよね。
しかし、給付金を利用したいけど、
- 教育訓練給付金のデメリットが知りたい
- 教育訓練給付金を使うと会社にバレるの?
という不安を持つ方もいると思います。
今回は、教育訓練給付制度についてメリット・デメリット・注意点をわかりやすく説明します。
教育訓練給付制度とは?
教育訓練給付制度とは、国が指定した講座を受講・修了した人に対して、講座費用の一部を国が負担する制度のことです。
スキルや資格取得のための費用が高くて躊躇している方にはとても嬉しい制度ですね。
教育訓練給付制度の内容について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
教育訓練給付制度のメリット
まずは、教育訓練給付制度のメリットから説明します。
お得に資格・スキルを取得できる
この制度の最大の魅力は、豊富な種類のスキルや資格の講座をお得な金額で受けられることです。
何十万円する講座を半額以下で受講することができるのはとてもうれしい制度ですね。
また、雇用保険の加入期間を満たしていれば、在職者も退職者(退職後1年以内に限る)も給付を受けられるので、昇進や転職のためのスキルアップに活用できます。
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対象講座が幅広い
教育訓練給付制度は、対象講座が幅広いので選択肢が非常に多いです。
簿記・宅建士・FPといった有名な役立つ資格から、プログラミング・WEBデザイン
などのスキルまで幅広く揃っています。
また、中型・大型自動車免許などの就職に直結する資格も対象なので、転職やセカンドキャリアの形成にとても役立ちますね。
年齢制限がない
教育訓練給付制度は、年齢制限がありません。
したがって、40代・50代、さらには60歳以上の方のセカンドキャリアの形成にも十分に活用できる制度です。
雇用保険の加入要件を満たしていれば、年齢に関係なく給付金を受けてスキルを取得できるので、ぜひ活用してください。
雇用保険に加入していれば対象
上記で述べたように、教育訓練給付制度には年齢制限がなく、その他にも複雑な要件はありません。
教育訓練給付制度は雇用保険の一部なので、雇用保険の加入年数のみが支給要件です。
つまり、基本的には、雇用保険に1年以上加入していれば、教育訓練給付制度のいずれかの給付を受けられるので、会社員の方であれば幅広く対象です。
つまり、雇用保険に加入していれば、パートやアルバイトの方も対象です。
企業勤めの方は、強制的に雇用保険に加入することになりますが、せっかく支払った雇用保険料を捨てないためにも、ぜひ活用しましょう。
教育訓練給付制度の対象者については、こちらの記事に詳しくまとめているので参考にしてください。

教育訓練給付制度のデメリット
次に、教育訓練給付制度のデメリットを紹介します。
全額先払いで支払う必要がある
教育訓練給付金を申請する場合でも、まずは自分で受講費用を先払いする必要があります。
教育訓練給付金は、
- 専門実践教育訓練…半年ごと
- 一般教育訓練・特定教育訓練…受講修了後
にまとめて支払われます。
したがって、自分で受講費用を前もって支払わないといけないので注意しましょう。
教育訓練給付金の支給額やタイミングについては、こちらの記事に詳しく説明しているので参考にしてください。
補助対象の費用は限られている
教育訓練給付制度で補助対象となる費用は、厚生労働省が指定する講座・授業だけです。
指定講座以外の学習費用は対象外になるので注意しましょう。
- 講座以外のもの
- 自学習のために買った参考書・テキスト・備品(パソコン)など
- 厚生労働大臣が指定していない講座
- 同じ資格であっても、指定されていない予備校もある
- 簿記講座のうち、A予備校の講座は指定されているがB予備校の講座は指定されていない場合もあるので注意
例えば、講座費用に含まれない自習用の参考書などは、自分のキャリアアップに必要な勉強であっても、厚労省によって指定されていなければ補助されないので注意が必要です。
また、同じ簿記講座であっても、予備校によっては指定されていない場合があるので確認が必要です。
給付金額に上限がある
教育訓練給付金には、給付額の上限額が決まっています。
- 専門実践教育訓練…年間40万円
- 特定教育訓練…20万円
- 一般教育訓練…10万円
これらの金額を超える分の受講費用は補助されないので注意が必要です。
さらに、受講費用の全額が補填されるのではなく、受講費用の一定割合しか給付されません。
具体的には、
- 専門実践教育訓練…最大80%
- 特定教育訓練…最大50%
- 一般教育訓練…最大20%
しか支給されないので、受講費用の一部は自己負担になるので注意が必要です。
手続きが煩雑である
教育訓練給付制度は、申請手続きがとても複雑です。
給付金の種類によって手続き方法が異なりますし、ハローワークに事前に行く必要がある場合もあります。
手続きを間違えると、場合によっては不支給にある可能性もあるので注意しましょう。
教育訓練給付金の申請方法については、こちらの記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
教育訓練給付制度の注意点
教育訓練給付制度を利用する際の注意点を説明します。
給付金を申請すると会社にバレる?
教育訓練給付金を利用しても、基本的には会社にばれません。
在職中に、スキルアップや転職活動に向けて教育訓練給付金制度を利用したいという方も多いですよね。
本人がハローワークへの申込から給付金の受給まで一貫して行うので、在籍している会社が関与することはないため、会社にバレることはありません。
しかし、次の場合にはバレる可能性があるので注意してください。
- 専門実践教育訓練の追加給付を受けるとき
- 雇用保険の被保険者証番号がわからず会社に問い合わせるとき
資格取得やスキルアップをしていることが職場や会社にばれると、居心地が悪くなったりする可能性があり、会社には内緒にしておきたいという方も多いと思いますので注意しましょう。
専門実践教育訓練の追加給付を受給するとき
専門実践教育訓練の追加給付とは、
- 講座に関連した資格を取得する
- 講座修了後1年以内に被保険者として雇用される(転職は問わない。従前の職場に引き続き雇用され続けることも含む。被雇用保険者として雇用されていればOK。)
という条件を満たした場合に、受講費用の20%が追加で給付されるという仕組みです。
この追加給付を受給する際には、雇用主からの雇用証明が必要なので、追加給付の申請書に事業主の記載欄が設けられています。
したがって、この事業主の記載欄の記入を雇用先に依頼する際に、雇用先に教育訓練給付を受給していることがバレる可能性が大きいです。
さらに、場合によっては、ハローワークから雇用先に確認する場合もあるので注意が必要です。
雇用保険者番号がわからないとき
給付金の申請には、雇用保険の被保険者証の番号が必要です。
被保険者証はすでに交付されているので参照すればわかりますが、もし被保険者証を紛失して番号が不明な方は、自分で会社に問い合わせをする必要があります。
問い合わせ時に使用目的などを聞かれるとバレる可能性があります。
なお、ハローワークでも雇用保険の被保険者証の再発行ができるので、もし会社とやりとりをできる限りなくしたい場合には、ハローワークに再発行を依頼するのがおすすめです。
自分で申請しないともらえない
教育訓練給付金は、すべての手続きを自分で申請しないともらえません。
厚労省が指定する講座を受けていたとしても、自分で給付金を申請しなければ支給は受けられないので忘れずに申請するようにしましょう。
また、訓練によっては、複数回に分けて給付金の申請を行う必要があります。
すべての申請を自分で行わなければならないので、スケジュール管理も大切です。
複数の資格を一度に受けられない
教育訓練給付金は、1回に1つの講座しか受けられません。
教育訓練給付金は、専門実践教育訓練・特定教育訓練・一般教育訓練の3種類がありますが、1回につきいずれか1つしか受給できないので、複数の講座を受けたい方は注意が必要です。
2回目以降に利用する場合は、前の支給日から3年間空ける必要があります。
複数の資格を取得することを考えている方は、どの資格を給付金で申請するかをよく検討しましょう。
したがって、一度に複数の資格を取得したい場合には、受講料が高いものを給付金で申請するなど戦略的に検討することがおすすめです。
必ず給付されるとは限らない
最後に、給付を申請しても必ず給付されるとは限らないということです。
教育訓練給付制度は、リスキングや雇用促進のために作られた制度なので、要件を満たせば必ず給付を受けられます。
しかし、指定された講座を受講しても、成績が悪かったり受講しなかった期間があるなど、受講の修了が認められない場合には給付金は支給されません。
制度を利用してスキルを取得しよう
教育訓練給付制度は、雇用保険に加入している人しか利用できない貴重な制度です。
せっかく雇用保険料を支払っているなら、利用して損はありません。
スキルや資格を取得して、スキルアップを目指したい方はぜひ活用してみてください。
教育訓練給付金の対象講座はたくさんあるので、まずは自分の興味のある資格やスキルを探してみましょう。