適応障害で休職した方は、休職中は給与の支給が止まるので、会社などから傷病手当金を申請するよう言われることがあると思います。
しかし、初めて休職する方は、
- 傷病手当金ってなに?
- 私も傷病手当を受け取れるの?
- 傷病手当を申請する方法が知りたい
という疑問がありますよね。
療養中で体調も良くないので、申請手続きに悩むことなくスムーズに申請したいところです。
私も適応障害で休職した際に、傷病手当金を申請しました。
申請する前はわからないことが多く、体調がすぐれないなかでゼロから制度や書き方を調べるのが辛くてしんどかった
今回は、傷病手当の制度の内容とその申請方法について詳しくわかりやすく説明します。
傷病手当金とは?
傷病手当金は休職したときに支給される
傷病手当金とは、健康保険に加入している人が、病気やケガ等で働けなくなった場合に、その生活を保障するために支給される手当のことです。
- 健康保険に加入している人が、病気などが原因で働けなくなったときに、健康保険組合から支給される手当のこと
健康保険に加入している人であれば、会社員・公務員・パート・派遣労働者などの職種を問わず、誰でも適用されます。
ただし、国民健康保険は対象外で、自営業者や個人事業主の方は受給できないので注意が必要です。
傷病手当金は、働けなくなった場合にもらえる手当です。
適応障害が治って働ける状態にあり、退職して失業中の場合には、失業手当の申請が必要です。
失業手当の申請方法について知りたい方は、参考記事失業手当の受給方法に関する記事を参考にしてください。
いつまでもらえるの?(支給期間)
傷病手当金の支給期間は、待期期間の後の4日目の休職日から通算で1年6か月です。
支給期間中に出勤できた期間は、傷病手当金の支給はなく、支給期間にも通算されません。
まだ休職の申請が済んでいない方で、休職の流れや方法について知りたい方は、参考記事【適応障害】休職の流れや休職届の書き方の記事を参考にしてください。
いくらもらえるの?(支給額)
1日当たりの傷病手当金の支給額は、以下のとおりです。
1か月に支給される傷病手当金の額は、これまでの月給の2/3程度を目安として把握しておくといいでしょう。
傷病手当金と傷病手当は違う
ちなみに、傷病手当金と傷病手当は異なります。
この2つを混同している方やサイトが多いので注意しましょう。
- 傷病手当金…病気などで休職中に健康保険組合から支給される手当
- 傷病手当…失業中(退職後)に、就職活動をしたものの、病気などで就職活動ができない時に雇用保険から支給される手当
どちらも、病気などのために働けない代わりに、生活費等を保障する目的で支給される手当であることに変わりはありませんが、支給元が異なります。
傷病手当金は、在職中に休職しているときに企業が属する健康保険組合から支給される手当です。
一方、傷病手当は、退職して失業し、病気が治って就職活動を始めたものの、再度病気に罹患して就職活動ができないときに、(健康保険組合から脱退しているので)雇用保険から支給される手当です。
この記事では、健康保険組合から支給される傷病手当金について説明します。
傷病手当の受給条件
傷病手当金が支給されるためには4つの条件を満たす必要があります。
- 業務外の病気やケガで療養すること
- 病気の症状によって仕事ができないこと
- 休職期間中に給与の支払いがないこと
- 連続する3日間を含んで4日以上休んでいること
業務外の病気やケガで療養すること
1つ目の条件は、業務外の病気やケガで療養する場合です。
傷病手当金は、業務外の病気やケガで療養する場合にのみ支給されます。
業務中の病気やケガは、傷病手当金ではなく労災の対象となるので、別途労災認定の手続きが必要です。
業務通の病気やケガで傷病手当金を申請しても支給されません。
労災保険と傷病手当金の違いについて知りたい方は、参考記事【比較】労災の休業補償と健保の傷病手当金の記事を参考にしてください。
病気によって仕事ができないこと
2つ目の条件は、病気によって仕事ができない状態にあることです。
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった場合に支給されるため、就労が不可能であることが支給条件になります。
また、就労不能であることを証明するために医師の診断書が必要です。
まだ医師の診断書をもらっていない人は、心療内科のかもみーるなら、オンラインで受診して診断書を発行してもらえます。すぐに家から受診したい人は、かもみーるの心療内科を受診してみてください。
休職期間に給与の支払いがないこと
3つ目の条件は、休職期間に給与の支払いがないことです。
傷病手当が支給されている期間に給与が発生した場合は、給与が支給された日の手当は支払われません。
給与の支払いとは、
- 所属先の会社への出勤
- アルバイト・パートなどの副業
が該当します。
しかし、従来の職務内容は従事できないけれど、体調に応じて従事可能な時短労働・軽作業を行って給与を受け取った場合には、傷病手当金と給与の差額が支給されるケースがあります。
支給の判断は健康保険組合が行うので、個別のケースは健康保険組合に確認しましょう。
連続する3日間を含んで4日以上休んでいること
4つ目の条件は、連続する3日間を休んだ後(=待機期間)、4日目に休んだ場合に傷病手当金の支給が開始されることです。
2日間の連続の休みが複数回生じたとしても傷病手当金の支給条件を満たさないので注意してください。
なお、待期期間には土日・祝日等の公休日も含まれます。
傷病手当金の申請方法とスケジュール
傷病手当金の申請方法とスケジュールを詳しく説明します。
- STEP①申請書を入手する
- STEP②主治医に療養担当者欄を記入してもらう
- STEP③本人記入欄を記入する
- STEP④職場に送付して事業者欄を記入してもらう
- STEP⑤傷病手当金が振込口座に支給される
傷病手当金申請書を入手する
まずは、傷病手当金申請書を入手します。
申請書の入手方法は2つです。
- 企業の福利厚生担当者から入手する
- 自分の健康保険組合のWEBページからダウンロードする
各企業の健康保険組合によって様式が違うので、必ず自分が所属する健康保険組合から入手するようにしましょう。
主治医に記入を依頼する
傷病手当金申請書には、主治医に記入してもらう箇所があります。
休職期間中は適応障害で働ける状態になく、療養の必要があったと主治医に証明してもらう必要があります。
主治医に依頼する際には、
- 主治医に書類を郵送する
- 受診時に渡して書いてもらう
の2つの方法があります。
どのような方法で書類をやり取りをするかについては、主治医と相談しましょう。
私は、毎月1回受診していたので、そのついでに主治医に記載してもらいました。
本人記入欄を記入する
主治医に記載してもらったら、本人記入欄を記入します。
正しく記入しないと支給されない場合もあるので、しっかり正しく記入しましょう。
傷病手当金申請書の記入方法は、こちらの記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
職場に申請書を送付する
傷病手当金申請書には、職場の担当者に記入してもらう箇所があります。
職場の担当者に、休職実態(就労の実績がないこと)を証明してもらいましょう。
また、傷病手当金は健康保険組合から支給されますが、ほとんどの場合、職場の人事担当が窓口になってくれるので、人事担当者に申請書を送付して手続きをしてもらいます。
主治医と自身が記入する欄を埋めたら、企業担当者に申請書を送付します。企業担当者が事業主記入欄を埋めたら、そのまま健康保険組合に提出してくれるケースが多いです。
自分で健康保険組合に提出する必要がある場合には、申請者(自分)・療養担当者(主治医)・企業担当者が記載する項目に漏れがないことを確認して、健康保険組合に送付しましょう。
傷病手当金が振り込まれる
傷病手当金の申請後には、給付がだとうかどうかの審査が行われます。
審査を経て給付決定がされると、銀行口座に傷病手当金が振り込まれます。
振り込みの時期は、健康保険組合によって異なりますが、1か月以内には振り込まれることが多いようです。
また、15日までに提出したものは、その月の末日に振り込まれるといったケースもあるので、早めに受給したい方は振り込みのスケジュールを確認しましょう。
傷病手当金は事後申請
傷病手当金は、休職期間に対して支給されるので事後申請になります。
つまり、就労不能で休職したという実績をもとに支給されるので、
(例)2月に休職した分の傷病手当金は、3月に支給申請を行う
といったスケジュールになります。
申請には、就労不能だったということを医師に疎明してもらう必要がありますが、そのためには、ほとんどの場合、医療機関から月に1度の通院を求められます。
医療機関にきちんと通院の頻度を確認して、確実に通院するようにしましょう。
毎月定期的に通院することが難しい場合や、負担に感じる方は、オンライン診療で自宅から受診して、医師と郵送で申請書のやり取りをするという方法もあります。通院の負担を少なくしたい人は、心療内科のかもみーるなど、オンライン診療を実施している医療機関を受診しましょう。
当然ながら、休職する月より以前に、医師から就労不能の証明などをもらうことはできないので、申請したい月が過ぎてから申請するようにしましょう。
傷病手当金だけでは足りない?
休職中にできるお小遣い稼ぎ
傷病手当金は、これまでの月給の約2/3の額が支給されます。
休職して給与の支払いがストップするので、少しでも給付されるのは、生活費等を工面するのにとてもありがたいですね。
しかし、傷病手当金だけだと少し心配…という人もいると思います。
こちらの記事では、休職中でもできるお小遣い稼ぎについて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
休職中に傷病手当金に加えて、簡単にお小遣い稼ぎをしたい方はアンケートモニターやポイ活がおすすめ!
参考記事お金の不安を解消!休職中にお金を稼ぐ方法
休職中のおすすめの過ごし方
休職中は、傷病手当金をもらいながら、心身の回復に努めて自分の人生の次のステップに進むために準備する期間です。
手当をもらいながら仕事を休めるのは、せっかくのいい機会なので、時間を有効活用して、充実した日々を過ごしたいですよね。
適応障害で休職した人はどんな過ごし方をしているのだろう…おすすめの過ごし方などを参考にしたい…と考えている方はいませんか?
適応障害を克服して、次のステップに向かうための、休職中のおすすめの過ごし方については、こちらの記事で紹介しているので是非参考にしてください。