分散投資として、実物資産である不動産に投資(不動産投資)を検討する方が多いと思います。
- 不動産と他の資産の違いって何?
- 不動産の資産としての特徴は?
不動産投資を始めるのであれば、まずは投資対象である不動産の資産としての特徴を知っておきたいですね。
今回は、実物資産と金融資産の違いを比較しながら不動産の特徴について説明したいと思います。
実物資産としての不動産の特徴
不動産は実物資産の1つです。
実物資産である不動産には次のような特徴があります。
特に、不動産は他の実物資産と異なり、家賃収入(=インカムゲイン)が得られる点が強みです。
つまり、不動産は、実物資産のメリットを享受しながら、実物資産のデメリットを埋められる特徴があります。
まずは、実物資産と金融資産の違いを整理します。
【比較】実物資産と金融資産の違い
実物資産と金融資産の違いは、資産そのもの自体に価値があるかどうかです。
- 実物資産…実際に形があってそれ自体に価値があるもの
- 土地・建物・金・プラチナ・絵画など
- 金融資産…形がなく発行元の信用力に価値があるもの
- 株・債券・投資信託・通貨など
インフレでも資産価値が目減りしない
資産価値以外にも様々な違いがあるので表でまとめておきます。
実物資産 | 金融資産 | |
価値 | それ自体にある | 発行主体の信用力 |
インフレ | 価値が上がる | 価値が下がる |
流動性 | 低い | 高い |
値動き | 小さい | 大きい |
インカムゲイン | △ | ◎ |
キャピタルゲイン | ◎ | ◎ |
インフレに強いかどうか
実物資産は、それ自体に価値があるのでインフレに価値が下がらないのが強みです。インフレでは貨幣価値が下がるので、金融資産は目減りしてしまいます。
したがって、実物資産をポートフォリオとして組んでおくと資産価値の目減りを防げます。
流動性の高さ
実物資産の最大のデメリットは、流動性が低いことです。
金融資産は金融市場が活発に動いているので、すぐに買い手がついて現金化できます。しかし、実物資産は、売りたいと思ったタイミングで買い手がつくとは限らないので、なかなか売れない可能性があります。
利益の生み方
一方、金融資産は値動きが大きく、配当や分配金などの収入も得られるので、キャピタルゲインとインカムゲインの両方得られるのが特徴です。金・美術品などの実物資産は基本的に、インカムゲインは得られないという難点があります。
しかし、不動産に限っては、他の実物資産と違って家賃収入というインカムゲインを得られるのが強みです。
次に、実物資産としての不動産のメリット・デメリットを説明します。
不動産の資産としてのメリット
実物資産としての不動産の特徴を説明します。
家賃収入が得られる
1つ目は、家賃収入が得られることです。
実物資産はインカムゲインを得られないというデメリットがありましたが、不動産は家賃収入というインカムゲインを得ることができます。
- 他の実物資産とは違ってインカムゲインを得られる
金や絵画などは保有していてもインカムゲインは入らないですよね。
しかし、不動産は貸出をすれば家賃収入を得られます。
不動産を売却すればキャピタルゲインを得られますが、もし不動産価格が下がったとしても、所有し続けていれば家賃収入を得続けられるのは不動産の最も大きな強みです。
購入時にローンを組める
2つ目は、不動産は購入時にローンを組めることです。
不動産はそれ自体に価値があるので、不動産を担保にローンを組んで購入できます。
金融資産は、それ自体に価値がないのでローンを組んで株式やFXを購入することはできませんが、不動産は自己資金がなくても、銀行からお金を借りて投資ができるのが特徴です。
不動産をローンで購入して不動産投資をした場合、月々のローンの返済は毎月の家賃収入で充当できます。
- ローン返済は家賃収入で充当できる
つまり、他人資本(=家賃収入)で不動産を手に入れられるのが不動産の大きな強みです。
価格の変化が小さい
3つ目は、価格の変化が小さいことです。
実物資産は、株式や通貨といった金融資産に比べて価格の変化が小さいです。
株式やFXは、価格の乱高下が激しく価格の変動幅で利益を生み出しますが、実物資産である不動産は価格が高騰することがない分、資産価値が急に下落することも起きにくいです。
そのため、株式等と比べて不動産価格は価格の下落のおそれが低いです。
資金の回収がしやすい
4つ目は、資金の回収がしやすいことです。
不動産は価格の変化が小さいので、資産価値が大きく下がる心配は低いです。
したがって、不動産を売却すれば投資資金の一部・大部分を回収できます。株式投資やFX投資は、価格の変化が大きいので、購入価格から大幅に下落している可能性も十分にあるので、投資資金が回収できないリスクが大きいです。
不動産の資産としてのデメリット
不動産の資産としてのデメリットを説明します。
流動性が低い
1つ目は、流動性が低いことです。
実物資産に共通することですが、不動産も流動性が低いのがデメリットです。
不動産を手放したいと思っても買い手が付かなければ売却できません。また、売却時にはコストがかかったり、売却が完了するまでに3か月から6か月程度の期間を要するので、売却のタイミングには注意が必要です。
物件を適正価格で売却するためには、複数の不動産会社で査定してもらうことが非常に重要です。売却先の不動産会社によっては価格が2~3割変わることもあるので、損をしないためにも複数の不動産会社で比較しましょう。
維持コストがかかる
2つ目は、維持コストがかかることです。
不動産は保有すると、固定資産税・管理費・修繕費などのコストがかかります。月々の家賃収入を充当できますが、他の実物資産や金融資産にはないデメリットなので注意が必要です。
実物資産として不動産がおすすめ!
実物資産を探している場合には、金融資産と実物資産をいいとこ取りできる不動産がおすすめです。
不動産は実物資産なので、
- それ自体に資産価値があるので下がりにくい
- インフレに強い
という金融資産にはないメリットがあります。
さらに、不動産は他の実物資産にはないメリットとして、
- インカムゲイン(=家賃収入)も得られる
ので、投資に向いている実物資産であると言えます。
投資先を分散しつつ資産を増やしたい方には不動産投資がおすすめです。