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『ウォール街のランダム・ウォーカー』は難しい?一度は読みたい投資のバイブル

読書

投資をするなら、一度は読んでおきたい本と言われるほどの名著である、「ウォール街のランダム・ウォーカー」について紹介します。

かなり分厚い本ですが、投資家ならぜひ読破したい本の1つです。

私も、この本を読んで、これまで何となく理解していた投資手法を理論的・体系的に理解できて、投資人生のターニングポイントになりました。

おすすめの人とおすすめしない人

長期投資をしたい人におすすめ

この本は、

  • 投資を始めようとしている人
  • 投資スタイルに悩んでいる人
  • 投資についてゼロから学びたい人

にぜひ読んでほしいと思います。

投資をしている人のほとんどの人が知っていると言われるくらい、投資のバイブル本ともいえる存在で、多くの本にも引用されています。

この本では、インデックス投資が最も好ましいと結論づけていますが、その他の手法であるテクニカル分析やファンメンタル分析と丁寧に比較しながら説明しています。

また、バブルなどの投資の歴史を踏まえて、個人投資家の投資の心理・行動の傾向から学ぶべきことなど、投資の心構えをはじめとする基礎的な論点を解説しています

一度読むと、投資について体系的に学べるので是非おすすめです。

長期投資について学びたい方は、投資の神様のバフェットが書いた格言本もおすすめです。

短期投資の人にはおすすめしない

「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、

本書は、「投機家」にとっては何の役にも立たないことを、あらかじめお断りしておきたい。一晩で大金持ちになることを狙うような人たちは、これを読んでも無駄である。実際、この本にもし副題を付けるとすれば、「ゆっくりと、しかし確実に金持ちになる本」というようなものであろう。

ウォール街のランダム・ウォーカー 第1章

と記載しています。

投資と投機の違いについては、

投資と投機
  • 投資…配当や金利・賃料など確実性の高い収入として利益を得ること、長期間保有して値上がり益を得ること
  • 投機…数日又は数週間の間に大儲けすることを狙って投資すること

と説明しています。

本書は、数年や数十年の先まで安定的に配当をもたらして、持続的に値上がりが期待できる株式を保有する長期的な投資手法を取る投資家を対象とするので、FXやビットコインなどの短期投資をしたい人には不向きです。

おすすめの理由

本書をおすすめする理由を紹介します。

投資の手引き・バイブルである

この本は、投資に関する手引きのような本です。

この本では、

  • 株式相場とはどのように動くのか
  • 投資をするにあたって留意すべきことは何か
  • 個人投資家に合った投資手法は何か

について、様々なデータ・投資手法・歴史的事象を交えながら論理的に説明しています。

つまり、投資というテーマについて、0から100までの手引きが書かれているので、投資家にとってのバイブル・参考書ともいえる本になっています。

実際に、この本の記述は、様々な投資本にも引用されているので、一度は読んでおいても損はありません。

あらゆる投資手法を分析している

この本では、テクニカル分析やファンダメンタル分析をはじめとする、様々な投資手法について、その有効性を検証しています。

筆者は、結論としてはインデックス投資を推奨していますが、インデックス投資のメリットを示すだけでなく、その他の投資手法がどういう点で懐疑的なのかを理論的にデータを用いて説明している点で、非常にわかりやすいです。

ここまで多くの投資手法について、理論的に分析している本は他にはないと思います。

実務と理論に強い筆者によって書かれた本

著者のバートン・マルキールは、

  • ウォール街の証券アナリスト
  • 保険会社の財務委員
  • プリンストン大学教授

といった、実務と理論の両方で活躍した経歴を持っています。

実務の最前線で投資を行った投資家としての経験を、学者として理論で裏付けしているため、非常に論理的でわかりやすい内容になっています。

個人投資家とエコノミストの両方の立場から説明いるので、初心者にもわかりやすく、投資について真に理解できる本としておすすめです。

この本からわかること

本著から学べる内容のエッセンスを紹介します。

相場は予測できない

筆者は、株価の動向や相場は、ランダムウォークであると言っています。

ランダムウォーク
  • 物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することが不可能である

例えば、テクニカル分析は、過去の株価の動向を示すチャートから将来の動きを予測して投資しますが、そのような考え方は通用しないということです。

ランダム・ウォークは著書の表題になっているとおり、本著の理論を支える重要なキーワードです。

この本で記述される内容は、「株価は、様々な企業情報などに敏感に反応して動くため、過去のトレンドに沿って動くことはなく、予測不可能なものである」という考えが前提になっています。

バブル相場の教訓を学ぶ

筆者は、バブルの教訓として、

難しいのは、短期間に手っ取り早くお金をもうけられそうな投機に、お金をつぎ込みたくなる誘惑を振り払うこと…である。

ウォール街のランダム・ウォーカー 第2章

と述べています。

投資をしていると、自分の投機的な誘惑にどうしても負けてしまい、合理的・理性的に行動できずに、結果的に損をしてしまうことがありますよね。

筆者は、こうした投資家の心理的な誘惑や弱さ・行動についても分析をしており、特に、バブル相場を例に取りながら説明しています

バブル相場は、急上昇して突然急降下する相場ですが、このような心理的な要因で上がった相場は必ず下がります。

ほとんどの人は、バブルの途中では儲けられても、バブルがはじけた後に大損してしまい、結局は損失を被ってしまうのが顛末です。

バブル相場は最終的には必ずはじけるとわかっているのに、バブル相場は、歴史的に何度も起きており、我々は教訓を生かすことができていません。

この本では、

  • 17世紀のチューリップ・バブル
  • 18世紀のイギリスの南海バブル
  • 20世紀のウォール街バブル(世界恐慌)
  • 90年代の日本のバブル
  • 21世紀のITバブル

という歴史的なバブル相場を丁寧に取り上げながら、発生と崩壊の理由、投機ブームに安易に乗ることのリスク、私たちの投資行動の傾向について、わかりやすく論理的に説明しています。

テクニカル分析の限界

テクニカル分析とは、過去の株価チャートを分析して今後の株価動向を知る手がかりを予測する方法です。

本書では、テクニカル分析について、2つの理由から懐疑的な立場を取っています。

テクニカル分析の弱点
  • トレンドはあくまで過去の記録である
  • トレンドで分析をする人が多いほど利益は少なくなる

筆者は、トレンドはあくまでその時点で過去の情報であり、次に起こりうるトレンドは予想の範囲を超えないため、テクニカル分析は投機に過ぎないと考えています。

さらに、そのトレンドの情報をもとにすべての投資家がトレードをしたら、それぞれの利益は小さくなってしまいますね。

したがって、機関投資家などの大型の投資家は、大きな利益を上げられるように、そのトレンドを阻止するように行動します。

このような理由から、筆者は、テクニカル分析で利益を得ることに懐疑的な立場を取っています。

ファンダメンタル分析への疑問

ファンダメンタル分析とは、企業の成長率などを予想して、株式の適正価値を予測する方法です。

本書では、ファンダメンタル分析についても、次の理由から懐疑的な立場を取っています。

テクニカル分析の弱点
  • 株価は企業情報などの新しい情報に素早く反応するため、すでに株価に織り込まれている

筆者は、企業の利益や成長率などをもとに、現在の株価が理論株価よりも低いと分析しても、すでにその情報は現在の株価に織り込まれていると考えています。

したがって、ファンダメンタル分析の結果は、将来の株価には何ら影響しないということです。

リスク分散の必要性について

株価変動に関わるリスクは、2つあります。

リスク
  • システマティックリスク…市場全体の変動に対して反応するリスク
  • 非システマティックリスク…個別銘柄の特有のリスク(新製品の発表など)

つまり、株価は、企業特有のリスク(天候、世界情勢など)に加えて、市場全体の動向に左右されます。

筆者は、非システマティックリスクは、分散投資によって軽減できると述べています。

例えば、簡単に言うと、例えば天候リスクに対処するために、

  • リゾート企業…雨の天候には業績が不振
  • 傘のメーカー…雨の天候には業績が好調

のポートフォリオを組めば、天候が雨であっても利益を上げられるというわけです。

一方、システマティックリスクは、市場全体の影響を受けるので、分散投資では対処できません

このシステマティックリスクを測る指標は、ベータと呼ばれ、

ベータ
  • 市場の動きに対する、銘柄やポートフォリオの感応度や変動性の大きさ
    • 例えば、β=2とは、市場全体が10%上昇するとその銘柄は20%上昇、逆に10%下落すると20%下落するということ

という指標で表されるのが一般的です。

筆者は、非システマティックリスクは分散投資をすることで対処できるが、システマティックリスクは分散投資で対処できないので、利益を上げたい場合には、システマティックリスクを負う必要があると述べています。

リスクの取り方
  • リスクを取らなければリターンは得られない
  • リスクをどの程度取るかについては、自分のリスク許容度に応じて、β(システマティックリスク)で選択する必要がある

インデックス投資

インデックス投資とは、

インデックス投資
  • 市場の値動きを示す指数(=インデックス)の値動きに連動をめざす投資手法

です。

インデックス投資では、地域・業界など広範な種類の銘柄を多数含んだポートフォリオを組み、分散投資をすることができます

筆者は、次の理由から、インデックス投資を推奨しています。

インデックス投資のメリット
  • 分散投資ができる
  • 売買に伴う手数料が安い
  • 税金の節約になる

インデックス投資は、多くの銘柄を含んでいるため、分散投資ができるので、非システマティックリスクを軽減することができます。

また、インデックス投資は、アクティブファンドよりも売買手数料が圧倒的に低いので、長い目で見ると、売買コストがかさまないので有利と言われています。

さらに、テクニカル分析などで株式を頻繁に売買すると、その利益(キャピタルゲイン)が出た都度に所得税を支払う必要があります。

しかし、インデックス投資で長期投資をすれば、将来に利益を確定させるため、課税を先延ばしにできるほか、NISAなどを利用すれば、非課税にすることができます。

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まとめ

この記事では、「ウォール街のランダム・ウォーカー」のエッセンスを切り出して紹介しましたが、本著では、インデックスファンドが他の手法よりも優れている理由について、他の手法の説明を交えながら丁寧に説明されています。

また、理想的なポートフォリオの例を具体的に示しながら、どういった銘柄を組み合わせて投資をすればいいのかについても述べられています。

かなりボリューミーな本ですが、投資について体系的・理論的に理解できるので、ぜひ読んでみてください。

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