40代・50代の方でセカンドキャリアのために知識やスキルを身に付けようと考えている方で、
- 中高年がスキルや資格を学ぶのに利用できる制度はある?
- 40代・50代におすすめのスキルは?
のような悩みや疑問がある方が多いと思います。
今回は、40代・50代の方がセカンドキャリアのために資格・スキルを得るために活用できる教育訓練給付制度を紹介します。
教育訓練給付制度を利用すれば、受講料の一部を国が補助してくれるのでお得にスキルや資格を取得できます。
教育訓練給付制度とは
教育訓練給付制度とは、
- 国が指定した講座を受講してスキルや資格を取得した場合に、受講料の20%~70%を国が補助してくれる制度
です。
制度の利用には年齢制限はないので、40代・50代の方でも利用できます。
教育訓練給付制度の種類
教育訓練給付制度には、3種類の給付金があります。
専門実践教育訓練
看護師・保育士・美容師等の国家資格が必要な専門的なスキルや、デジタルスキル、大学院や専門学校等の教育課程など、中長期的なキャリア形成に役立つスキルや資格の講座が対象です。
給付金は2段階に分かれていて、
- 受講費用の50%(年間上限40万円)
- 追加支給として受講費用の20%(講座修了後に資格を取得して1年以内に雇用された場合)
講座の受講中に支払われる給付金と受講修了後に一定の条件を満たした場合に支給される給付金の2つが支給されます。
講座の受講中に支払われる費用は、講座の受講中に6か月ごとに支給されます。
特定一般教育訓練
中型自動車免許や大型自動車免許など、速やかな再就職に有利なスキルや資格の講座が対象です。
給付金は、
- 受講費用の40%(上限20万円)
が支給されます。
給付金の上限は20万円なので、受講費用が50万円以上の場合には20万円しか支給されないので注意が必要です。
一般教育訓練
TOEICや簿記検定など、雇用の安定や就職の促進に資するスキルや資格の講座が対象です。
給付金は、
- 受講費用の20%(上限10万円)
が支給されます。
給付金の上限は10万円なので、受講費用が50万円以上の場合には10万円しか支給されないので注意が必要です。
給付金の対象講座
教育訓練給付制度の対象となる講座は、約14,000種類以上あります。
なじみのある簿記・TOEIC・FPなどの資格から、宅地建物取引士・保育士・エンジニアなど専門的なものまで幅広く揃っています。
ほとんどの資格やスキルが対象になっているので、気になっているものはすぐに見つかります。
(引用)厚生労働省ホームページ
受給する条件
教育訓練給付制度には年齢制限がありませんが、受給するには次の3つの条件が必要です。
雇用保険に加入してる・離職して1年以内
教育訓練給付制度は、
- 在職中
- 退職してから1年以内
のいずれかの人が利用できます。
パート・アルバイト・派遣労働者など雇用形態によらず利用できるので、セカンドキャリアのためにスキルアップしたいミドル世代の人にはうれしい制度です。
また、退職後も介護や療養などですぐに講座を受けられる状況にない場合には、教育訓練給付制度の受給資格の延長手続きができます。
教育訓練給付制度の延長手続きについては、参考記事 教育訓練給付の受給資格を延長する方法の記事を参考にしてください。
雇用保険加入期間が1年以上
次に、雇用保険の加入期間が、
必要です。
自分の雇用保険加入期間が分からない場合には、管轄のハローワークで確認できます。
前回の利用から3年が経過している
これまでに教育訓練給付制度を利用したことがある方は、前回の受講開始日から3年間を空けることが条件です。
3つの給付金のうちどれか1つでも受給していると、次に利用するまでに3年間を空ける必要があるので注意してください。
教育訓練給付制度を一度でも利用したことがある方は、前回の受講開始日を確認しましょう。
教育訓練給付金の申請方法
教育訓練給付金の申請方法を簡単に説明します。
細かな方法を説明すると長くなってしまうので、詳しくは参考記事【徹底解説】教育訓練給付金の申請方法についての記事を参考にしてください。
専門実践教育訓練
- STEP1受講したい講座を決める
- STEP2訓練前キャリアコンサルティングを受ける
- STEP3受給資格確認をする
- STEP4受講申し込み・受講開始
- STEP5単位期間ごとに給付金の支給申請をする
- STEP6受講修了後に追加支給の申請をする
専門実践教育訓練は、受講したい講座を申し込む前に、専門のキャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受ける必要があります。
受講したい講座やスキルを通したキャリア形成について考える
キャリアコンサルタントとの面談後に、ハローワークで受給資格があるか確認を行い、受給資格を認められた後に受講申し込みをする流れです。
なお、受講開始後は、単位期間(6か月)ごとにハローワークに来所して給付金の支給申請をします。
また、講座修了後にも、
- 資格を取得した
- 被保険者として雇用された
場合には、追加支給の申請のためハローワークに来所します。
特定一般教育訓練
- STEP1受講したい講座を決める
- STEP2訓練前キャリアコンサルティングを受ける
- STEP3受給資格確認をする
- STEP4受講申し込み・受講開始
- STEP5受講修了後に給付金の支給申請をする
特定一般教育訓練は、受講したい講座を申し込む前に、専門のキャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受ける必要があります。
受講したい講座やスキルを通したキャリア形成について考える
キャリアコンサルタントとの面談後に、ハローワークで受給資格があるか確認を行い、受給資格を認められた後に受講申し込みをする流れです。
講座がすべて修了したら、ハローワークに来所して給付金の申請をします。
一般教育訓練
- STEP1受講したい講座を決める
- STEP2受講申し込み・受講開始
- STEP3受講修了後に給付金の支給申請をする
一般教育訓練は、受講前の手続きが不要です。
受けたい講座を見つけたら申込をして、講座修了後にハローワークに来所して給付金の手続きをします。
セカンドキャリアにおすすめの資格・スキル
エンジニア・プログラミング
プログラミングスクールというと、20代の若者が通うイメージですが、40代・50代のミドル世代も通えるプログラミングスクールは豊富にあります。
プログラミングスキルを身に付けると、
- 退職後も活用できるスキルが身に付く
- 転職に有利になる
- 生涯自分のペースで働ける
など、働き方の面で大きなメリットがあります。
教育訓練給付金を使って、40代・50代がお得にスキルや資格を取得できるプログラミングスクールを紹介します。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産取引に必須の資格です。
- 不動産取引(不動産売買や賃貸物件のあっせん業務)の専門家の資格のこと
- 宅建士は、不動産取引の際の重要事項説明などの独占業務を担う
宅建士は、不動産取引において独占業務があるので不動産業界での需要が非常に高いです。未経験の中高年でも就職に直結しやすく、取得すると転職に有利な資格です。
医療事務認定実務者
医療事務認定実務者とは、医療事務に関する知識を有していることを証明する資格です。
- 医療機関での会計業務や診療費用を請求するレセプト業務
医療事務は国家資格ではありませんが、資格を取っておくと医療機関での医療事務の就職に役立ちます。
特に、医療事務の求人は、年齢・経験不問と提示されているものが多いので、医療事務の資格があるととても有利です。
登録販売者
登録販売者は、市販薬(一般用医薬品)を販売するために必要な資格です。
薬剤師でなくても登録販売者であれば一部の医薬品の販売ができるので、ドラッグストアなどで重宝される資格です。
特に、実務経験がなくても受験できるので、異業種から転職したい方にはおすすめです。
保育士
保育士資格も教育訓練給付金の対象です。
保育士は需要が高いので、50代でも体力や健康面に不安がなければ十分に活躍できます。また、パートタイムなど様々な働き方ができるのが魅力的です。
仕事や家庭と両立しながら無理なく合格を目指せる講座が用意されているので、自分のペースで勉強できます。